2019年9月20日 ゲスト・大野真澄(元GARO)~後編~


【放送内容】


「そりゃもう、何でこんなことやらなきゃいけないんだ!って思ったさ」(大野真澄)

番組冒頭、話は突然<芸能人運動会>に及ぶ。フォークグループである筈のGAROが、いわゆるアイドル歌手たちに交じって球技や陸上競技に臨んでいた。トミーが運動はあまり得意でなかったため、その任は主に大野さん、そして運動神経抜群のマークに回ってきた。

*GAROはそんなことしなくてもいいんじゃないかなぁ。大野さんが首をかしげていたのは運動会だけではない。曲が盛り上がると、マークもトミーも歌いながらステージに跪く。熱狂した少女たちがステージに押し掛けると、二人も笑顔で握手をしに前に出る。「ロマンス」でマークが人差し指を左右に振るアクションは、誰の指示でも振り付けでもない本人の自発的なものだった。

*遡って60年代後半、トミーとマークは既にバンド活動を開始していた。つまりある意味「GS出身」だった。70年に結成したGAROが71年にデビュー、メジャーシーンで成功した時に、ファンの歓声、マスコミの扱い、コンペを経て与えられたキャッチーな楽曲といった要因の数々が、GSの空気感を識るトミーとマークに喜びのスイッチを入れていたのではないか、と大野さんは振り返る。ある時事務所がブティック「ベビードール」で撮影用に誂えた衣裳は、袖にフリンジをあしらった派手なデザインのもの。大野さんは撮影終了後一切袖を通すことはなかったが、トミーとマークは自発的にその衣裳でステージに上がっていたという。


*アルバム「吟遊詩人」を制作した頃に、トミーがGARO脱退を申し出た。エリック・クラプトンに心酔する彼は、ロックへの方向転換をしようとしていた。ロックを目指しながらハーモニーも好み、アルバムではリゾート風のポップスも手掛けた彼を周囲は説得し、GAROとソロ活動の並行を提案した。レコード会社は3人それぞれのソロアルバム制作も持ち掛けた。しかし話し合いが続く中でマークもガロからの脱退とソロでの再デビューを希望した。大野さん自身は、GAROに居ることへの思いはその時どうだったのか。

「あの二人の音楽的な才能をちゃんと解っていたから(自分には)辞める必然性がないんですよ。自分は彼らから教わることも多いし、やってて面白かったからね。ハーモニーもかっこよかったし、『俺たち結構かっこいいよな』と思うところがあったから」(大野真澄)

大野さんの中に疑問符を残したまま、結局GAROは1975年に解散した。




*GARO解散後。大野さんもソロ活動を開始するが、程なく作詞や音楽監督、レコーディングディレクターの仕事の依頼が増えてくる。「裏方」の仕事が忙しくなりステージからは長らく離れていた大野さんだったが、

「それ(裏方の仕事)をやっている時に、いろんなアーチストの『仮歌』を歌うわけ。だから<歌っていないけど歌っていた>ようなものだったね。」(大野真澄)

*実はその『仮歌』が認められ、アルバム制作を打診されたことがある。話を持ち掛けたのは《秋元康》だった。秋元氏はレコード会社の制作部長同行の上で交渉してきたが、大野さんはその話を辞退した。既にディレクターとして多忙な日々。そして「今からもう『表』に出ることはないだろう」という思いもあったという。

*大野さんが再び『表』に出たのは、あるオファーに応じてのことだった。内藤やす子がコンサートでビートルズの曲を中心に歌う。その舞台をプレイヤーとしてサポートしてほしいという依頼。これをきっかけに内藤さんとのユニットやソロ活動などで、21世紀の少し手前、大野さんは再び『表』の人となった。

*2019年に入り、大野さんはソロシンガーとして初めての全国ツアーをスタートさせた。題して「70times70〜A H-Juu Day's Night〜」。全国70か所。このツアー中の10月23日に大野さんは古稀を迎える。ミュージカル「ヘアー」のステージに立ってから丁度50年に当たる年でもある。




【エピソード】

*GARO解散後に大野さんが手掛けた仕事でまず思い出すのは、番組3曲目にお聴きいただいた「あなただけを」(あおい輝彦)の大ヒット。大野さんが作詞、作曲は《猫》の常富喜雄が手掛けた。

*レコード会社のディレクターとして担当していたのは三浦友和、石黒賢、原田芳雄など。前述の秋元康は、もともと原田芳雄のアルバムに詞を採用した縁だった。彼が「おニャン子クラブ」を手掛ける少し前の話である。

*長い裏方期間を経てステージ復帰した大野さんが、その後同様に表舞台への復帰を後押しした相手が、番組ナビゲーターの東郷昌和。

「今でこそ僕もボーカル同様ライブやっているけど、一回引っ込んで、50歳くらいになって『またやらない?』と言われても結構抵抗がある。今はボーカルには本当に感謝しているけど、あの頃は『僕がソロ?今さら一人で出ていって、できねぇよ…』と思ったもの」(東郷昌和)




【使用楽曲】

♪ビートルズはもう聞かない(GARO) 松本隆作詞/佐藤健作曲/深町純編曲

♪四つ葉のクローバー(GARO)山上路夫作詞/かまやつひろし作曲

あなただけを(あおい輝彦)大野真澄作詞/常富喜雄作曲













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