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2019年8月16日 ゲスト・内山修(元ザ・リガニーズ、猫)


【放送内容】

オープニングでお聴き頂いた曲は、ザ・リガニーズのデビュー曲「海は恋してる」。早稲田大学のフォークソング部からプロデビューを果たしたザ・リガニーズ。今回のゲスト内山修はこのグループのベーシストであり、元々は同フォークソング部の<副幹事長>だった。

「(部内で)新田(和長)さんが『海は恋してる』を持ってきて、みんなが寄ってたかって『じゃあやろうか』という事になって。その寄せ集めでできたのが《ザ・リガニーズ》なんです」(内山修)

活動期は1968年から1970年。この2年間の主な出演コンサートをリストアップしたのが、この表。



その多くに<カレッジ・ポップス>という文言が見える。

「僕たちがレコードを出した時には、慶応に《万里村れいとザ・タイム・セラーズ》がいて<音楽の早慶戦>と呼ばれたり、フォークというよりも学生のポップスということで<カレッジ・ポップス>という名前をつけられて」(内山修)

上の表の他にも、当時数多く誕生したアマチュアのフォークグループの発表会や<スチューデント・フェスティバル>へのゲスト出演も多数だったという。まだ小規模なライブハウスがない時代。数百席あるホールを借りるのに、いくつものグループが集まり今で言う対バンスタイルで上演するのが主流だった。

「ホールだと例えば200人規模の所しかない、お客さんをそれだけ集めないといけない。もちろん友達に売るんだけど、その目玉に俺たちが呼ばれるわけよ、客寄せに(笑)」(内山修)


「海は恋してる」のヒットで、メディアへの出演も相次いだ。テレビでは「お昼のゴールデンショー」の<今週の歌>に選ばれた。またラジオでは、数々のフォークのスターを生み出した「バイタリス・フォーク・ビレッジ」に出演、同番組がその後活動の場を同じくする多くのミュージシャンとの出会いの場になった、と内山さんは述懐する。


メンバーのペンによる「海は恋してる」で世にでたザ・リガニーズだったが、レパートリーはオリジナルが主だったのだろうか。

「いや、オリジナルが半分と、あと元々フォークだったから、ブラザーズ・フォーやキングストン・トリオのコピーをやったり、アルバムには洋楽のカヴァーも入れたり」(内山修)

番組ではその中から2曲目に、ブラザーズ・フォーのカヴァー「七つの水仙」を、3曲目に「君の涙になりたい(レット・イット・ビー・ミー)」をご紹介した。


ザ・リガニーズ解散後、内山さんはザリガニの一人常富喜雄らと共に《猫》を結成、吉田拓郎のバックバンド兼オープニングアクトを経て1972年にレコードデビューする。

「僕、実は内山さんがザ・リガニーズとは知らなくて。《猫》から始まっているんです。あの頃はいろんなツアー、行きましたね」(東郷昌和)

「単独のコンサートより沢山集まってジョイントみたくやるのが多かったね。いろんな人と一緒になったし。あの頃はフォークもロックもなくて、《キャロル》と一緒だったりとか(笑)」(内山修)

「BUZZだって、キャロルとミカバンドとBUZZっていうのがありましたしね(笑)」


現在の内山さんは、その《猫》のメンバーであり、ヒット曲「各駅停車」の作者・石山恵三とのデュオでのライブが活動のメインという。更には、このデュオにサックスを加えてのトリオで、往年の昭和歌謡を聴かせるライブも行っている。

「『鈴懸の径』とか、『黄昏のビギン』とか。あとエノケンさんの曲とか。昔は自分たちでも作っていたんだけど、自作だとコードなども稚拙なんだよね((笑)。昔の人たちはやはりきちんと音楽教育を受けた人達だから。コードにしてもお洒落だし」(内山修)

「(中村)八大さんとか、黄昏のビギンもそうだけど、Jazzyなんだよね。そこに綺麗なメロディーが乗っかって。そこらへんをちゃんと<今の人>たちに伝えたいですよね」(東郷昌和)



※当アーカイブは放送時点での情報・番組内容に基づいております。


※2021年付記・番組中内山さんにお話しを伺いました石山恵三さんは、2021年1月18日に逝去されました。心よりご冥福をお祈り申し上げます。


【エピソード】

ザ・リガニーズも出演した「バイタリス・フォーク・ビレッジ」、MCはムッシュかまやつや吉田拓郎がよく知られるが、初代司会者はジミー時田。また当時ともに出演したフォークグループの一つ《菅原兄弟》は《ビリー・バンバン》の前身。この当時は菅原孝・菅原進の他にせんだみつおがパーカッション担当で参加していた。





【使用楽曲】

♪海は恋してる(ザ・リガニーズ)

♪七つの水仙(ザ・リガニーズ)

♪君の涙になりたい-レット・イット・ビー・ミー(ザ・リガニーズ)

♪雪(猫)

♪各駅停車(猫)










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